白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

 虎兄の彼女さん。
 なんて心が綺麗な人なんだ!!


 子供たちと笑顔で
 お話ししている清香さんが
 女神さまに見えたし。


 虎兄と龍兄が好きになるのも
 納得だよ。


「ごめんね、桃華ちゃん。お待たせ」


 私のところに
 笑顔で戻ってきてくれた清香さんに
 一番気になることを聞いてみた。


「なんで清香さんは
 小学生のために
 旗振りをしているんですか?」


「ここの横断歩道ね
 右も左もカーブで
 見通しが悪くて危ないの。

 実は私、ぼーっとして
 この横断歩道うを渡ろうとしたときに
 車にはねられそうになったことが
 あってね。

 その時、虎ちゃんが腕を引っ張って
 助けてくれたんだ」


「へ~。
 虎兄って
 人を助けたりとかするんですね」


「え? 
 私、いっつも助けてもらってるよ」


 ずっとニコニコ笑っていて
 一緒にいる人の気持ちを
 明るくしてくれる清香さん。


 どう頑張って想像しても
 清香さんの隣に虎兄がいる姿が
 全く想像できない。
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