白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「じゃあさ、
 龍牙さんが俺の家に来てくれたら
 桃ちゃんに『ご褒美』をあげるね」


「え……?」



 ご褒美……


「何、その暗い声。
 俺からのご褒美だよ。

 特別なものだよ。
 嬉しくないの?」



『ご褒美』って言葉に
 だまされちゃダメ。


 きっと十環先輩は
 ドS悪魔並みにニヤニヤ微笑んで
 私に『こんなの着れるか!』って
 投げ返したくなる服を
 差し出してくるに違いない。



 だってこの前
 虎兄に話しているのを聞いちゃったもん。



『ナース服の桃ちゃん
 すっごく可愛かったから
 他にも桃ちゃんに似合いそうな
 服があったら、貸してね』って。


 

「十環先輩……
 次は私に……
 何を着せる気ですか?」



 警察官?

 キャビンアテンダント?

 それともまた
 恋兄の作る甘いロリータドレス???


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