白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
言ってしまった。
兄に向かって
こんなこっぱずかしい思いを
伝えてしまった。
体中の血液が
沸騰してるんじゃないかと思うほど
体が熱くなってきて、
私は布団から出られない。
「龍兄、まだいるでしょ!
早くこの部屋から出てって!」
「……行ってやってもいいけど」
「え?」
「お前と一緒に、十環の家にさ。
その代わり、桃がおばさんに謝ったら
俺はすぐに帰るから。
それでいいよな?」
私は布団に潜ったまま。
でも、龍兄の声からちゃんとわかる。
龍兄が、今
優しく微笑んでくれているって。
「行く日が決まったら教えろよ」
龍兄の大きな手が
布団越しの私の頭に置かれ
そして、バタリとドアが閉まる音がした。
☆END☆
次のお話は
龍兄と十環先輩の家に行くところかな。
(多分……)