白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
俺が失恋して十環の家に泣きに来た
10日ほど前のあの日。
深夜まで小百合の部屋で
二人でテレビゲームバトル。
俺は最後にやっと勝利したことに
満足して、
桃にハイテンションで電話をかけながら
いつの間にか寝ちゃったんだけど……
目覚めた時は
俺が小百合のベッドを陣取っていた。
小百合は?と思い部屋を見回すと
俺が寝るはずだったソファから
落ちたらしく、
床の上で丸まって寝ていた。
さすがに床で寝るのは痛そうだと思って
俺がお姫様抱っこで
ベッドまで連れていき
そっと置いた時。
「う~」と寝ぼけ声を上げながら
小百合の両手が
俺の首の後ろに巻き付いてきた。
そして
強い力で俺の顔が引き寄せられた。