白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「でも最近は、ちょっと変わったかな」
「ん?」
「十環が桃華ちゃんに
どんどんはまっていくのを
見てたからかな。
私も男の人に……
寄りかかってみようかなって……」
「良い奴でもいるのかよ?」
やべッ!
自分で聞いておきながら
心臓が破裂しそうなほど
ドキドキしてんだけど。
聞きたいけど。
聞くのが怖い。
俺、マジで心臓か弱すぎ!
桃にも言われたけど
よくこんな弱っちいハートで
百目鬼(トドメキ)の連中を
束ねてきたよな。
バクバクの鼓動がばれないように
桜を見上げごまかした瞬間。
想像もしていなかった言葉が
俺の耳に飛び込んできた。