白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
あ~! もう!
マジで、外野がウザい!
小百合は気づいてないけど。
離れた写真館の窓から
カーテンを少しだけ開けて
俺たちの様子をうかがう4つの瞳。
2階の十環の部屋の窓なんて
思い切りカーテンを開け
十環と桃が
遠慮なくちらちら見てくるし。
「小百合、今すぐ靴を履け」
「は? いきなり何よ」
「ここじゃ
お前とまともに話せねえから。
ついて来い」
「どこに行く気よ?
私は行かないからね」
「お前のそういうところが
かわいくねえんだよ。
ついて来いって言ったら
何も言わずについて来いよ!」