白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
くねくね山道をバイクで上り
こんなところを通るの?と思うほど
舗装もされていない細い道を通り
やっとバイクが止まった。
「ここって?」
「俺だけの、秘密の場所」
「ふうん。
綺麗な景色だね」
心からそう思った。
私たちの前にある柵は
赤茶色くさびていて頼りないものだけど。
眼下に広がる景色は
絶景を切り取ったように綺麗。
太陽でキラキラ光り輝く海が
広がっている。
誰も来ないような場所なのに。
なぜか2人掛けのベンチがぽつり。
海を眺めるように置いてある。