白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
笑顔の虎ちゃんと目が合った。
ひゃ!虎ちゃん!
私に笑ってくれた!
虎ちゃんに手を振りながら
駆け寄ったのに……
お客と間違えて
私に笑いかけてくれたのは一瞬だけ。
すぐに笑みが消え
虎ちゃんの目が吊り上がった。
「清香、いきなりこの店に来るなよ」
「だって、スマホにメッセージ送っても
既読にならないし。
一度来てみたかったんだもん」
虎ちゃんの笑顔は消えちゃったけど
こんなの全く気にならない。
だって
虎ちゃんが私に冷たいのは
いつものことだから。
私はさらにテンションをあげ
虎ちゃんに笑顔を向けた。