白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「シュシュをもらって
桃ちゃん、喜んだのかな?」
「すげー喜んでくれたみたいだぞ。
高校に
そのシュシュをつけて行くって
言ってくれたみたいだし」
「信じられない!!
桃ちゃんがピンクのシュシュを
つけるなんて!!」
「桃ちゃんって
いっつも黒とかモスグリーンとか
暗い色しか選ばないイメージだからな」
「恋のパワーってすごいね。
桃ちゃんがこんなに
変わっちゃうなんて。
いいな~。
私も、シュシュ欲しいな~」
「……あるけど」
「え?」
「俺も……
六花のために……作ったから……」
俺の言葉に
目を見開いたまま固まっている六花。
六花の真ん丸な瞳を
俺が見つめていたのに気がついて
やっと声を出した。