白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


「一颯っち、お腹すいてない?」


「……すいてますけど」


「じゃあ、お兄さんが、
 家で夕飯を作ってあげる」



「もしかして……
 六花がよく言ってる……
 あの、グロテスク料理ですか?

 ご飯の上に
 カラフルなチョコが乗ってたり……
 サンドイッチに、グミが入ってたり……」



「やだなぁ。
 そんなもの
 お客様に出すわけないでしょ」


「恋都さんなら
 平気で俺に食べさせそうですけど」


「あれは、桃のキレる顔が見たくて
 作ってるだけ。

 安心して。
 俺が作るって言っても、
 冷凍庫に入っている牛丼を
 温めるとかだから」



「それなら……
 行っても……いいですけど」

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