白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「それにさ
 姫だけに頑張らせたら、ダメじゃない?」


「え?」


「一颯っちのベストを着て
 心に剣をグサグサ刺されちゃうのは
 りっちゃんだよ。

 りっちゃんだけに戦わせちゃ
 ダメだと思うな。

 そういう時には
 王子様が必死に
 姫を守ってあげなきゃね。」



 確かに……
 恋都さんの言う通りかもしれない……


 俺は言いたい人には
 好き放題言わせておけばいいって
 思って生きてきたけど。


 それでも
 嫌みな陰口で
 心が締め付けられた経験だってある。



 俺は六花の気持ちを
 全く分かろうと
 しなかったってことだよな。



 六花の笑顔が大好きで。

 あいつの笑顔を引き出せるのは
 俺だけならいいのにって思うのに。


 六花に、悲しい顔をさせてばっかりで。



 マジで……
 俺……
 サイテーだ……

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