白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集


☆六花side☆

 私は今
 すっごく幸せな香りに包まれている。


 このままずっと
 瞳を閉じていたい。

 大好きな香りに包まれながら。



 ん? 
 この香りって?


 私って今……
 どこで寝ている?


 この枕の感覚も。
 布団の香りも。

 私のベッドじゃない。


 それに昨日の夜は
 いっくんが出て行っちゃったのが辛くて
 玄関で帰りを待っていたはず。



 ゆっくりと目を開けると。

 ローテーブルの前に座るいっくんに
 じーっと見つめられていた。

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