白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「シュシュ……いらないから」
「あ、そう」
私を拒絶するかのような、冷たい声。
耳に届いた瞬間に
こらえきれなくなって
涙があふれだした。
「シュシュはいらないから……
だから……お願い……
他の人には……あげないで……」
「え?」
「いっくんが作ったもの……
私以外の女の子が持ってるなんて……
嫌だもん……」
ポロポロとこぼれる涙が
いっくんのベッドを濡らしていく。
ヒックヒックと泣き続けていると
いっくんがベッドに腰かけ
横から私を包み込んでくれた。
そして
切なそうな声が耳に届いた。
「六花……ごめんな」
「え?」
いっくんが……
謝ってくれた?