白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

 そう言って
 私の手のひらに置かれたもの。


 それは
 いっくんが私のために作ってくれた
 赤いシュシュだった。


「俺がさ
 お前のために作ったシュシュを
 他の女にあげるわけないじゃん」


「だっていっくん……
 大学の女の子にあげるって……
 言ったもん……」


「そのシュシュ。よく見てみろよ」


 私は言われた通り
 シュシュをひっくり返してみた。


 え? 

 これって……刺繍?
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