白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
私はベッドから降りると
床に座り込んでいる いっくんの膝に
頭を乗せてみた。
いっくんに膝枕をしてもらうの
久しぶり。
嬉しいな。
私が伝えなくても
いっくんはちゃんとわかってくれている。
私がいっくんの大きな手のひらで
頭を撫でてもらいたいってことを。
頭をいっくんの膝に乗せたまま
私は大好きな瞳をまっすぐ見つめたくて
いっくんを見上げた。
「料理中にいっくんが
抱き着いてくれるのとか……
本当は……すっごく嬉しいからね」
「それって、どういうこと?」
「だから……
いっくんのことが、大好きってこと」