白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
穏やかに私だけを見つめる
いっくんの瞳から
目がそらせられない。
だって、ずっと私だけのことを
見ていてほしいって思っちゃう。
でも、もう限界。
見ているだけじゃ
満たされないから。
「いっくん……キス……して……」
恥ずかしいくらい大胆な言葉が
口から漏れたのに。
私の脳はとろけそうで。
いっくんに
触れて欲しくてしょうがない。
「六花のその顔
たまんなく、かわいいんだけど」
いっくんの艶のある声とともに
優しく重なった唇。
体の骨が解けるほど
幸せなキスだった。