白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「私たち
 親切で教えてあげてるんだけど。
 そのベスト
 あんたたちに全然似合ってないよ」


「早く、脱ぎなさいよ」


 10人くらいのお姉さま方。

 ベストを脱ぐまで
 私たちを帰さないつもりらしい。



 ダメだ。
 隣の桃ちゃんが、爆発寸前。


 桃ちゃんがキレだしたら
 中学の時の番長の血が騒ぎだして
 私では止められなくなっちゃうかも。


 どうしよう……
 流血騒ぎは止めないと……
 退学になっちゃうよ……


 私は思いっきり息を吸い込むと
 お腹から声を張り上げた。

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