白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
は~。
虎ちゃんがいない生活……
耐えられるかな……
そんなことを思いながら
ローテーブルを涙で濡らしていた時
私の部屋を『トントン』
と叩く音が響いた。
おばあちゃん。
部屋に来ないでって
伝えてあったのに。
こんな泣き顔なんて
おばあちゃんに見せたくなくて
無視をしていると。
再びドアを叩く音が。
そして弱々しい声が
私の耳に届いた。
「きよか……
俺……だけど……」
虎ちゃん?