白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

 は~。

 虎ちゃんがいない生活……
 耐えられるかな……


 そんなことを思いながら
 ローテーブルを涙で濡らしていた時
 私の部屋を『トントン』
 と叩く音が響いた。


 おばあちゃん。
 部屋に来ないでって
 伝えてあったのに。


 こんな泣き顔なんて
 おばあちゃんに見せたくなくて
 無視をしていると。
 
 再びドアを叩く音が。


 そして弱々しい声が
 私の耳に届いた。


「きよか……
 俺……だけど……」


 虎ちゃん?
< 39 / 337 >

この作品をシェア

pagetop