白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
虎side 2
☆虎兄side☆
え?
思ってもいない出来事に
俺は目を見開いたまま
その場に固まってしまった。
清香の柔らかい唇が
ゆっくり離れていき
恥ずかしそうにうつむく清香が
目に入ったとたん
『清香が俺にキスしてくれたんだ』と
脳が認識した。
その時。
「ごめんなさい……
その……
虎ちゃんが優しく
微笑んでくれたこが……
嬉しくて……」
恥ずかしそうに
必死に言葉を紡いでくれる清香が
愛おしくてたまらない。
恥ずかしくて
ずっと言い出せなかった思いを
今、清香に伝えなきゃ。
そう思わせてくれる
かわいさだった。