白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「俺さ、どんな顔して
虎に会えばいいかわかんなくてさ。
この家に泊めてもらえるなら
すっげー助かる」
龍牙さんの言葉に
小百合姉さんが一番に口を開いた。
「ま、龍がそうしたきゃ泊まれば。
あんたが泣きにこの家に来るときは
いつもそうしてるんだから」
「小百合、お前はいい女だな」
「やめてよ、気持ち悪いこと言うの」
「は?
気持ち悪いってなんだよ」
龍牙さんと姉さんのやり取りに
父さんたちは
満面の笑みを浮かべている。
そして龍牙さんも
『さっきまで大泣きをしてましたよね?』
って言いたくなるくらい、
笑いながら小百合姉さんと
言い合いをしている。
そんな龍牙さんに、俺は聞いた。