白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「あ、もしもし。十環先輩?」
「桃ちゃん、ごめん。
送ってくれたメッセージ、気づかなくて。
龍牙さんね、俺の家にいるから」
「え? 十環先輩の家ですか?」
「そう。
もっと早くに教えてあげればよかったね。
心配したよね?
桃ちゃん、ごめんね」
「いえ。
教えてくれてありがとうございました
龍兄、大丈夫ですか?」
「ああ。
俺の家族に慰められて
今は笑ってるよ。
龍牙さんって
辛いこととか落ち込むことがあると
俺の家に来るから」
「え? そうなんですか?」
「うちの親もさ
龍牙さんのことを自分の子供みたいに
かわいがっててさ。
今なんて
自分の娘とくっつけようと
企んでいるみたいだからね」