白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
もう、十環先輩の家まで
連れていくしかないか。
でも、家の場所が……
明らかに心臓がバクバクで
焦っているのに
脳が冷静にひらめいた。
スマホで『桃瀬写真館』と検索。
1件、ヒットした。
8キロ先かぁ。
時速4キロで歩いて、2時間。
それくらいなら
十環先輩を背負っても
歩き続けられそう。
私は自転車をTODOMEKI の倉庫横に
置かせてもらうことにして
十環先輩に
私が着ていたブルゾンを着せた。
そして十環先輩を背負い
暗い道を歩き始めた。