触れたい、できない

始まり

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「皆さん、ご入学おめでとうございます。私は今年皆さんの担任をさせて頂く_」



ソワソワした雰囲気の中、担任の教師が黒板にチョークを滑らす。



私の入学初の記念すべき席は、窓辺で校庭がよく見える席だった。



…まあ、当たりの席かな。



「_跡(せき)と申します。早速ですが、これから皆さんには軽く自己紹介をしてもらいますね」



教卓に立つ先生の言葉を聞いた途端、ざわめきが広がる教室。



うげぇ、やっぱりあるもんなのか…



正直、私もないことを願ってた。



そうぼんやり考えているうちに、先生は新しい座席表を黒板にかき終え、パンっと手を叩く。



「では、1度席をシャッフルしますね。紹介の順番は運ということで」



そう先生が言った瞬間、教室はよりどよめいた。



…いやめんどくさ……



私もみんなと同じように、どんよりとした気分になる。



だって…立って移動となると、自分の身長の低さがあからさまになっちゃうんだもん。



え、いずれバレることだって?はっ、第一印象は大事でしょ?



_ガタガタ…



そうは言ってもまだ入学したての私たち。



もちろんクレームなどつけれるはずもなく…



_先生に割り振られた出席番号を元に、全員が席に着いた。



「はい、座れましたね。では……右端から始めましょうか。起立して紹介してください」



うーわ…嘘でしょ?



先生の言葉に、またもやどんよりさせられる私。



だって…私が座った席は、右端から3番目の席。



つまり3番目に話さなきゃいけないってことでしょ…?



加えて、起立しての自己紹介とか…



入学早々、不幸の連続でしかない。



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