触れたい、できない
_ガガッ……下校時刻となりました。まだ校舎に残っている生徒は_
「ありゃ、もうこんな時間だ」
_熱中しすぎた私たちは、あれから3時間もぶっ続けで作業をしていた。
「終わりませんでしたね」
「…うん」
下校時刻をしらせる音楽が流れる中、まだ山積みになっている資料たち。
…先生、正直初日から任せる量じゃないと思うよコレ
「アンケートの集計はいいんだけど、前年度との比較がなぁ…」
前年度の資料探しから始まったからか、長時間ぶっ続けでも終わらなかった
「…あの僕そろそろ帰っていいですか。用事あるんで」
万屋の言葉に、ふと私は横を見る。
「えっちょ、早!」
_するとそこには、あっという間に帰り支度を済ませ、ドアに手をかけている万屋。
「では」
「え?や、待てーい!!」
普通こういう時って、委員同士一緒に帰るもんじゃないの?!
それを平然とスルーして勝手にひとり帰るだなんて!
「こっの薄情者ー!」
_私はまだ片付けられていないペンやルーズリーフをかばんに詰め込みながら、思い切り叫んだ。