触れたい、できない
「_はい、では次どうぞ」
ほらもうあっという間に回ってきた…
まあ、緊張なんてするタイプじゃないんだけどね。
「はい。月岡中学出身の、金光 紺(かねみつ こん)です。部活は水泳やってました。お願いします」
私は一礼してサッと座る。
ふぅ、何とか手短に済ませられた…
私は満足気に茶髪の長い髪を優雅に払う。
「_はい、では次の方……」
そんな私には目もくれない跡先生の進行はスムーズで、するすると進んでいく。
そしてあっという間に隣の席まで順番が来た。
そして、横の男子はゆっくりと立ち上がった。
瞬間、
__ザワっ
クラス中がざわめいた。
「…緑生中学出身、万屋 琉空(よろずや るく)です」
自分の名前だけ名乗り、気だるそうに座るメガネをかけた男の子。
静かだったクラスに、またざわめきが広がる。
そりゃそうだ。だって彼……
とてもとても、背が高かったのだから_