触れたい、できない
「_で、なんで今日そんなに早く帰りたいの?」
教室への移動中、少し疑問だったことを万屋に聞いてみる。
昨日は遅くまで残ってくれたけどすぐ帰っちゃったし、今日は今日でこんなに急いでる。
…もし大事な用事とかあるんだったら私ひとりでやってあげてもいっかな_
「貴方に関係ないですよね」
…バッサリ
そう言い切った万屋に、さすがにカチンと来る私。
待ってよ、こちとら1人でやろうか?って提案してあげようとしてたのに!
そんな言い方あるかあー?!
「…昨日から思ってたんですけど、紺サンってお節介ですよね」
………………はい?
突然の言葉に口をあんぐりと開ける私を見ても、涼しい顔で続ける万屋。
「昨日も委員になっていいのか、なんてわざわざ声かけてきましたよね。紺サンには関係のないことなのに」
歩幅が大きい万屋について行こうと、必死に足を進める。
「ちょっと待ちなさいよ?!私はただ_」
つい万屋の腕を掴みそうになったその瞬間、
「やっべー!遅刻するー!!」
_ドンッ