触れたい、できない
_ガタッ
「ちょ、いたの?!」
「いや前の席にいて気づかないとかやべえわお前」
慌てて立ち上がった私に、呆れたような目を向ける蓮。
って、ちょっと待って?別に私さみしくて机に話しかけたわけじゃ_
「しゃあねーからほら、コレで元気だせよ」
そう言い蓮が取り出したのは…
「……おしるこ…」
まさかの…
………おしるこ…
「んだよその顔。いらねえなら返せ」
「あっ喜んでお返しします……」
私は蓮にスッとおしるこを返した。
…おしるこで私が元気でると本気で思ってんのかな。
そろそろヤバイ領域に入ってきたよね、蓮も…
「で?なんかあったんだろ。万屋と」
「えっ」
ビニール袋からパンを取り出しながら話す蓮。
なっなんで知ってるの…?ハッまさか蓮も見てたんじゃ…!
「ちょ、絶対言っちゃダメだからね?!万屋の大事な秘密なんだから!」
「…は?俺なんも知らねえけど」
慌てて蓮の口を塞いだ私に、眉をしかめる蓮。
「……秘密って?」
私の手をはがしながらこちらを見る蓮。
………し、しまった……