触れたい、できない
…そう、この一見モテそうな爽やか系スポーツ少年。
実はものすごく偏食なんです。
小さい頃から一緒だったからこそ慣れたものの、他人から見たらただの変人だからね。
スポーツやってるんだから、もっとちゃんとしたもの食べなさいって思うけど……
_こいつの主食、おしるこだからね
いやもうびっくり通り越して引くよね…
せめて野菜ジュースとかならマシだったんだけど…
「はあ?なにいってんのお前。このおしるこの美味さ分かんねえとか味覚大丈夫か?」
「いやあんたが大丈夫?」
しまいには私の味覚をバカにしてくる始末。
もうどうにでもなってしまえ。
「でも蓮が前の席にいてくれると助かるなあ…」
私は肘をついてクラスを見回す。
「ははっお前友達作んの苦手だもんな」
「うっ…」
そうなんだよね…私、女の子の友達なかなか出来ないんだ
蓮にはサバサバしすぎてんじゃねえのって言われるけど、これが自分だし。
変えないって決めてるんだけど…
やっぱり1人はちょっと寂しいんだよねえ
「まっ、これからもよろしくね!蓮!」
「おー」
こいつといるのが、今は1番楽なんだ。