触れたい、できない
「_えっと………委員の説明を始めてもいいかしら?」
_放課後、跡先生は眉を下げながら、私たちを交互にみる。
3人以外いない、静かな教室。
そこに私たち学級委員2人は呼ばれた。
…一生、許してやるもんか。
_私は横に立つ万屋を睨む。
長身なのは初めから気に食わなかったけど、まさか中身までこんなやつだったなんて!
放課後になっても収まらない苛立ちに、私は頬をふくらませる。
「…」
「…」
_険悪な雰囲気がただひたすらに漂う。
「…ごめんなさいね、隣の席同士だから面識あると思って選んでしまって…」
先生はそんな私たちの様子に、申し訳なさそうに肩を狭めた。
うっ…
さすがに心が痛くなってきた。し、
偽りでも仲良くしといて、さっさと委員の仕事を終わらせたい。
「やっ、大丈夫ですよ!私たち、すごい仲良しですからご心配なく!!」
私は面倒くさそうに横に立っている万屋を引っ張った。
「ほらほら!ね?だからどうぞ説明を_」
「っっ!」
_バシッ
万屋の手をつかんだ瞬間、宙を切る私の手。
「…あっあら……」
そんな光景を見て、先生は驚いたように万屋を見た。
_シン…と静まりかえる空気。
「………」
私は振り払われた手を見てから、俯く万屋に視線を移した。