触れたい指先、触れられない心
霞さん、やっぱり何か秘密が……
結婚のことで監禁されたり、普通じゃないなーとは思っていたけれど、それ以上に何か訳ありなのかもしれない。
わたしにそれを受け入れることはできるの……?
「詩音、本当に大丈夫か?」
「わたしも、霞さんに誓ったの……だから何があっても守るよ!」
霞さんがあの時言ってくれたように、わたしだって、霞さんに将来を誓った。
たとえそれが一時的な物だったとしても、絶対に破りたくない誓いなんだ。
「だったらアタシも付いて行く」
「気持ちは嬉しいけど、これ以上マコを巻き込みたくない。それに……自分の力で頑張りたいの」
「分かった……その代わり、何かあったらすぐにアタシを呼ぶこと。……いいな?」
「うん!」
こうして、わたしはこのバーに通うことを決めた。