触れたい指先、触れられない心
*Marguerite*
▼波乱のパーティ▼
◆◇◆
どうしよう、困ったな……
今朝、わたしはいつものように家を出て学校に向かってて、少し歩いたところにあるバス停で学校行きのバスに乗る予定……
だった。
「あの……おはようございます……こんな朝早くに一体どうしたんですか……?」
「すまない。……船の出航時間が午前中だそうだ。申し訳ないが今日は学校を休んでもらえないだろうか……?」
「霞さんのお願いなら……もちろんなんですけど。……もう、参加するしかないんですかねぇ」
わたしの問いかけに、霞さんは「ふむ……」と考え込んでしまった。
別に婚約披露パーティが嫌なんじゃない。でも、未熟なわたしが霞さんの婚約者として招待客に認めてもらえるのかが心配で……
緊張で息が詰まりそう。
「もう参加者を招待したと聞いている。もし今日のパーティを中止にしたら……俺たちの結婚は認めてもらえないかもしれない。……嫌かもしれないが、どうか頼む」
霞さんはわたしの顔を真っ直ぐに見てそう言った。
嫌な訳ない、好きな人との婚約を認めてもらう訳だし……でも、不安なんだ。