ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
ハグやキスの度、押し寄せる嫌悪感や吐き気はユウキを好きなんだって気持ちで我慢していた。
だから最後まで出来なかったのは当然のことだった。
「んじゃ、俺はそろぼち。ユウダイも待ってるだろうし」
「うん、ジュースありがとうね」
「おう、名前は教えてくんねぇのな~」
「教えませーん」
教えてしまったら、よりしつこくされそう。
「ちぇ」
背中をみせて、ヒラヒラ~っと手を振っている。
かっこつけてんなぁ
リュウヤが出ようとした瞬間に、ドアが勢いよく勝手に開いた。
「うお!!!」
「わあああ!?」
リサの声だ!
「リサ!」
「マリ!」
「倉橋、大丈夫か?」
その後ろにダイくんも見えた。
「連絡帰ってこなかったから心配したんだよ!」
「ごめんね…」
「ダイくんも来てくれたんだね…ありがとう」
「いや…貧血で倒れたって聞いて」
あ、貧血ってことになってんのか。