ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
「とりあえず座らないか?」
いつの間にか中庭に来ていて、あたしはユウキの誘いにのってベンチに腰をかけた。
「お願い、教えてほしい」
「……」
「……好き……じゃなくなった……から……」
納得して穏便に終わる言い訳はこれしかなかった。
「そっ……かぁ……」
ユウキは顔に両手を押し当てて、一時何も喋らなかった。
「……わかった」
心が張り裂けそうに痛い。
違う、ちゃんと好きだった。
でもそんなこと言ったら、本当のことを言わないといけなくなるからダメだ……
「倉橋」
「……なに?」
「俺、倉橋のこと好きだから」
「え?」
え、でも別れようって言ったのはそっちだし。
もう呆れられてるかと……
「む、無理だよ」
健全な恋はもう出来ない。
また傷つけてしまう。
「俺は……!!「おーい。俺の彼女になにしてんの?」