ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
風が吹き抜ける。
銀色に輝いた襟巻きがさらさらとゆれた。
「荒牧」
零次がミリヤに話し掛けた。
「こいつ、どうやって倒すんだ?」
「お前、あの悪霊を倒す気か?」
「当たり前だろ。
なんかよくわかんねぇけど、お前と同じような力を得た。
そしてお前は動けない。
だったら俺が倒すしかねぇだろ」
呆れた様子でミリヤを見る。
「バカか!」
大声を出す。
「正式に霊会に所属しているあたしが勝てなかったんだぞ!!
それなのに、たった今封印師となったお前があの悪霊に勝てるわけが…」
「つべこべ言うな」
途中で言葉をさえぎる。
ミリヤの言っていることは間違ってはいない。
零次はこの力の使い方も、正体も、何もわからなかった。
だが、目の前には普通じゃない化け物。
加えて怪我をした少女。
「理屈ばっか並べんな。あいにく、俺はそんなに素直じゃないんでね」
目の前にいる化け物を睨み付けた。
刀を強く握り締め、化け物に飛び掛かった。
「おい、お前!!」