ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
ただ茫然と倒れた化け物を見つめた。
自分が倒せなかった化け物を、この少年が倒した―――
少年――零次は息遣いこそ荒いが、あの姿になってから全く傷ついていない。
いったい、何者なんだろうか……?
「荒牧、さっさと教えろ」
「何をだ…?」
「何って…さっきの言葉」
それだけ言うと手の中に札を出現させた。
「へぇ…願えば出てくるもんなのか…」
マジマジと札を見つめる。
そこには“悪魂封印”と印されていた。
札を観察する零次に驚くミリヤ。
――あいつには驚かされっぱなしだな…
ミリヤはほほえむと口を開いた。
「わかった。
あたしに続けて詠唱しろ」
零次がニヤリと笑い、頷いた。
「悪しき汚れた魂よ」
「悪しき汚れた魂よ」
「今現世より去り」
「今現世より去り」
「我が手のなかに眠れ―――悪魂封印」
「我が手のなかに眠れ―――悪魂封印」
化け物から黒い光が飛び出す。
さっきと同じように札が黒く染まり、その場に小さく光る白い光が残る。
「よし、次だ」
「わかった」