ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
再び札を念じる。
ミリヤが出現させた、白い光を消す札を。
強く念じると、再び手の中に札の感覚がよみがえった。
それには“正魂誘導”と書かれている。
ミリヤの口から言葉が紡ぎだされる。
「現世を迷いし魂よ」
「現世を迷いし魂よ」
「天界へと導かれよ――正魂誘導」
「天界へと導かれよ――正魂誘導」
詠唱終了と同時に光に札が触れ、両方が消えた。
「任務…完了か……」
複雑な表情で零次を見つめた。
キョトンとしながら、ミリヤを見返す。
大きくため息を吐いた。
わけのわからないことだらけだ。
ただの強い霊力者かと思えば、妙な数珠を使い詠唱を初め、いきなり霊力が上がり化け物を封印してしまった―――自分もかなわない相手なだったのに…
「考えてもどうしようもないか…」
そうつぶやくと、ミリヤは目をつぶった。
そして、制服姿に戻る。
それを見た零次も念じて、制服姿へと戻った。
手の中に丸い玉があった。
パッと見透明だが、角度によっては銀色に見えた。