ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
「じゃあ俺たちは帰る。
また何人か封印師が派遣されるだろう。きちんと指導を受けろよ」
「わかった」
龍一郎の言葉に頷く。
それを確認すると、龍一郎・華鈴・将は高く飛び上がり屋根の上を通りながら去っていった。
そんな彼らを見つめていた零次の中に、とある疑問が生まれた。
「屋根なんか通ってて、何にも言われないのか?
明らかに不振者だろ?」
「心配するな。
術師化してるとき、霊力のない奴らには姿は見えない」
ミリヤの返答に都合が良すぎるように感じた零次だった。
「それより…」
ミリヤの視線を感じて若干怖じけつく。
横腹の痛みが戻ってくる気がした。
その時…
「頼む!零次、数学の今日の宿題の題問6を教えてくれ!!」
両手を合わせてお願いされる零次。
意外な言葉にぽかーんとしてしまう。
「今日当たってしまったのにさっぱり分からない。
明日黒板に書かなければならないのに…」
「なんだよ、そんなことか…教えてやるから明日朝早く来い」
「わかった!!ありがとな、零次!!」
変なヤツ…
手を振って走り去るミリヤを見て思った。