ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
1人状況が理解できない零次をミリヤはにらみつけ、きつい口調でしゃべりかけた。
「何をぼーっとしてるんだ零次。
口空けて、間抜けな顔して」
「ミリヤ……なんでお前ここにいるんだ?
しかも、親父と普通に話してるし!
聞いてねーぞ知り合いなんて!!」
「ん、零次お前には言ったはずなんだが……
俺が持ってるアパートにミリヤちゃんいるんだぞ」
親父のアパート!!?
「なんだと!!聞いてねーよ!!」
「そうだったか?
お前と同じぐらいの子が来るって言ったような気が……」
頭をかきながら妙にのんきな声で話し続ける。
零次の父親である竜次は、どういう経緯でかは知らないが2階建てのアパートを神社の裏に所有していた。
それが建ったのは去年の春頃で、突然工事が始まりいつの間にか完成していたのだ。
「いろいろあってな、アパート建てなきゃいけなくなったんだよ」
零次たちへの説明はこの一言だけだった。
不審に思っていたが、なんとも自然に入居者が決まり、今もほとんどの部屋が埋まっている。
ただ、どうしてかはわからないのだがいつまでたっても2部屋だけ空いていたのだ。