ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
「あのずっと空き部屋だった所に入ったのか?」
コクリとミリヤが頷いた。
「この前の土曜日と日曜日に荷物を運んでもらった。
昼間にやけにでかいトラックを見なかったか?」
土曜日と日曜日の記憶をたどる。
零次は思い出した。
土日の朝は部活があった。
その帰りに、黒と白の妙なトラックが確かにアパートの前に止まっていた。
何か宅配便か大型の荷物を届けに来ただけだろう、と対して気にしなかったのだ。
「あの黒いトラック、引越業者のだったのか…」
見た感じそれとは程遠かったが。
しかし、ミリヤは首を振った。
「あれは霊会の物だ。
前住んでいたところが夢園から遠かったから、派遣されたついでに引っ越した」
「……なるほどな」
「それに、この建物は俺が霊会の派遣者のために建てたものだからな―――いつも2部屋空けてたのはそのためだ」
「……霊会のため!?」
どういうことか理解出来なかった。
なぜ霊会のために竜次がアパートを建てたのか?
そもそも―――
なぜ竜次は霊会の存在を知っているのか―――?