ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
「あぁ、行ってくる…」
それだけ言うと、零次は自転車にまたがった。
すると後ろに妙な違和感を感じる。
「なんだ?早く漕げ、零次」
振り返るとミリヤが後ろに座っていた。
どうやら、乗っていくつもりらしい。
「なんだよ、自分で行けよ」
「別にいいだろ。同じ学校だし、同じクラスだし」
「お前な…」
「いいから、早くしろ。ほら、ほら」
図々しいヤツ。
仕方なく零次はペダルを漕ぎ始めた。
いつもより漕ぎにくい。
二人分の重さだから当たり前である。
「落ちんなよ」
「バカか、このあたしが落ちるわけないだろ」
口喧嘩をしながら2人は学校へと向かった。
「青春だねぇ…」
ニヤニヤしながら、零次とミリヤを見る。
風が吹きざわざわと木々が揺れる。
「頑張れよ、零次…」
自分の腕を見つめながら、竜次は呟いた。