ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
身近な霊力


「んで、ここはこの公式を使って……」

「なるほど…これでいいのか?」

「そうそう、正解」


ミリヤはシャーペンを置くと軽く伸びをした。

苦手な数学と格闘するのは疲れる。

数字の何がおもしろいのか全く理解できない。

それにしても…


「零次、教えるの上手いな」

「ん、なんだいきなり…」


まさか、ミリヤの口からそんな言葉が出るとは…

かなり予想外だった。


「たいしたことねぇよ。
またなんかあったら教えるからな」


ニヤッと笑って見せる。

人に教えるのは嫌いじゃない。

教わるよりもずっと好きだ。

自分の知識が誰かに吸収され、役に立つという達成感のようなものが心地好かった。


「よろしくたの…」


「おはようさあぁぁん、今日は早いな零次〜ぃい!!?
なんだ!??なぜお前が荒牧さんと2人で話しているっ!!」


“む”の音が道隆の大声で遮られる。

道隆は零次の肩をつかむと興奮した様子で言葉を発した。


「なんだ!抜け駆けかよ!!
お前は女に困らないだろっ!!」

「黙れ」


手で道隆を軽く突き飛ばす。






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