ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
銀色の玉を取り出し、封印師化すると家々の屋根を渡って一気に進む。
空気が重い。
いつもとは違う雰囲気に胸騒ぎがする。
悪霊の持つ霊力とはやはり何かが違った。
似ているが、もっと恐ろしく、重い霊力……
「零次!!」
いつの間にか隣をミリヤが走っていた。
「ミリヤ!なんなんだよ、この悪い感じ…」
ミリヤが険しい顔をした。
「これは、ただの悪霊じゃない…妖怪化している」
「…妖怪…化…?」
「あぁ、悪霊は現世に未練があり、霊世界に行けなかった霊が変化したものだと前に言っただろう?」
零次がうなずいたのを確認し、話を続ける。
「悪霊は己の存在を保つために人間の生命力や精神、時には別の悪霊までも食らう。
それを繰り返すうちに、悪霊の持つ特殊な霊力“妖気”が徐々に強くなり、最終的には妖怪化し、その名の通り“妖怪”となる」
「妖怪だと…!?
そいつは浄化できるのかよ」
「いや、浄化はできない。
一度完全に妖怪の持つ魂をリセットし、完全な“新しい魂”として霊世界に送るのだ」