ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
チャイムが鳴って徐々に皆席につき始める。
桜子は頭を抱えていた。
さっきは焦った。
零次がいつもよりわずか1分早いことなんかに気付くのは自分ぐらいだ…それだけ、いつも零次を見てるのだ。
変に思われてなきゃ良いが…
「さ・く・ら・こ
どうしたのよ?頭なんか抱えて」
「なっちゃん!あのね…」
桜子の隣の少女―赤西夏希(アカニシナツキ)は桜子の親友だった。
幼なじみで、正義感が強く自分の道を真っすぐ歩く彼女は桜子の憧れでもあった。
合気道三段の実力者で過去に2度不良退治をした。
「あははっ!あんたそんなこと気にしてたの?」
「そんなことじゃないもん!わたしにとっては重要事項なの!!」
「大丈夫よ。白鳥鈍いから。
そばにいた和田には怪しまれただろうけどね」
夏希がウインクしながら言った。
それもそれで困るんだが…
碧が何も言わないことを願うしかないようだ。
そんなことを考えていると、ガラガラと教室のドアが開いた。
教師が入ってきて教卓の前に立つ。