ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
「魂ってそういう物だったのか……」
「そうだ……ってお前、妖怪に関してちゃんと理解したのか!?」
こんな時でもツッコミをしてくるミリヤ。
妖怪相手の割に案外余裕である。
「あぁ、なんかかわいそうだけど、仕方ないんだろ?」
「かわいそうとは違う。
妖怪の消去はあくまで悪となった魂を善に戻すための物だ」
「なるほどな…」
妖怪を消去すればそれの持っていた性格や精神は完全に消える。
だがそうしなければ、新たな生命は生まれない。
それどころか、多くの人を傷つけてしまう。
人間の誕生と死。
それを正しく機能させるのが封印師ら術師、すなわち霊会の使命なのだ。
魂は消えることはない。
だからこそ正しい方向へ導かなければならない。
誕生と死の流れから漏れた魂をそのまま悪に染めてはいけない。
善いことをした魂なら、次も多くの善いことができるように。
過ちを犯した魂なら、次は一つでも善いことを出来るように。
それを導くのが自分の使命。
「ぜってぇ成功させる…!」
零次は心の中で呟いた。