ENDLESS BATTLE―覚醒・霊会編―
「起立」
学級委員長が号令をかける。
「気を付け、礼」
人数の割に小さい挨拶が教室に響く。
着席の号令と共に椅子の音が聞こえだす。
「今日はもう知ってるヤツもいるだろうが、転校生がウチのクラスに来た」
わぁっと湧くクラス。
どこからか女?男?美人?イケメン?何ていう声が聞こえる。
「荒牧、入って来い」
トン、トン、っと足音が広がる。
転校生が前を向くと、さらに教室内が盛り上がった。
長い髪を一つに束ね、赤と紫の紐のようなもので結んでいた。
その燐とした表情はかわいいと言うより、美しいという言葉が似合った。
転校生は黒板に名前を書いた。
“荒牧美梨弥”
「荒牧美梨弥(アラマキミリヤ)です。
親の仕事の都合で、九州からここに引っ越してきました。
今日からよろしくお願いします」
拍手がうるさいぐらいに響いた。
「きれいな子だなぁ……あれ?」
思わずミリヤに見惚れてしまっていた桜子だったが、ふと窓側に目を向けると零次が目に入った。
零次は、不思議な表情をしていた。
驚いたような、恐れているような、
―威嚇しているような