碧花の結晶
「ねぇ、どうしよう!
ラルクはクラスメイトなの!!」
昨日の晩にレイに抗議したけど、 もう取り止めなんて出来ないと言われた。
『マドロス家は高位の貴族ですから、今回の会食を断っても、いずれ会うことになります。
マドロス様に言って、少し早めにお開きにして貰えるよう 配慮してもらいますから…』
今までも 何度も人相を偽ってきたけど、 女の私を知る人と会うのは初めてだ。
「どうしよう…上手くやれる気がしない。」
結局昨晩も全く寝られなかったし、 今も色々考えているうちに時間は刻々と過ぎていく。
〝コンコン〟とノックの音がした。
「ルーナ様ー!
出席を取りに行きましょう」
声主はミラ。
もうそんな時間かと慌てて服を着替える。
「ごめん! 今行く!」
これからの出来事を考えると、憂鬱になってしまうのだった。
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「ね!
今から街まで遊びに行かない?」
出席を取り終わると、シーナが話しかけてきた。
「あー…ごめん。
私今から用事。」
「私もです…明日なら大丈夫ですけど。」
ミラも当然 私の護衛だから、今日は王宮に行かなくちゃならない。
2人で毎回同じ日に用事っていう訳にもいかない、 何か言い訳を考えるとかないとな…なんて思う。
「えー!
2人とも?
他のみんなは?」
教室を見渡すと、オルフェは爆睡している。
ラルクも、
「ごめん…今日は家の用事」
という。
「ちょっと…みんな、こんなに用事が重なることってあるのー?
私に内緒で何かしてたら怒るよ!」
「してないよ…たまたま。」
これは、これから正体をバレないようにするの大変だな…