碧花の結晶
«ルーナside»
「あれ?
マドロス様との会議は?」
ラルク達を椅子に座らせ、 適当な理由を作って自室に戻った時のこと。
まさか私が戻ってくるとは思わなかったのだろう、アスカがびっくりした表情で聞いてきた。
「それがね、 ラルクがすごい緊張してて…落ち着いてもらうために、少し2人にしてきた。」
「へぇ〜」
「まぁ…少ししたらまた戻るから。」
チラリと机の上を見ると、 大量の書類が山積みにされていた。
適当な理由を作って、と言ってきたけど、 その理由はあながち嘘でも無い。
学園に通っているため、 どうしても公務をする時間は削られてくる。
「えーと…ちょっと片付けとくか。」
そう言って机の上の資料を片っ端から読んでいく。
川に堤防を作る要請とか、 麦の値段が高騰しているからどうすればいいかとか、色んな内容が書かれている。
全ての仕事を国王が行うわけではもちろん無いが、 最終の判断は王の調印がなければならないので その仕事量は半端ではない。
ブツブツと言いながらひとつひとつ仕事をこなす。
「お茶でも入れる?」と、アスカが発した言葉も、全く聞こえていないのだった。
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「……ナ! ルーナ!」
「…はっ、えっ…何!?」
「何回呼べば気が済むの!?
もう結構時間たってるけど!会食のこと忘れてないよね?」
「あ…」
本当に、 資料に集中して忘れていた…
40分も時間が経ってしまっている。
「うわわわっ!
すぐ行く すぐ行く!!」
ドタバタと用意をする。
アスカの視線が痛いけど、 気にしない気にしない…後で怒られるのが手に取るように分かるけど、気にしない!
「んじゃ、 もう昼食はすぐ出していいから!
いってきまーす!」
「はぁ…」
いつにも増して、 アスカの視線が厳しい。