碧花の結晶
春季魔法大会
行事
「おはよぉー」
あれから何事もなくラルク達を王宮から送り出して、 私とミラは寮へと戻ってきた。
予想以上に仕事が溜まっていて、 結構な量の書類を寮に持ち込むハメになってしまった。
昨日は夜通し仕事をしていたから、 眠くてたまらない。
朝起きて顔を洗っても、 眠気はなかなか覚めなかったのだった。
「どうしたの?
随分眠そうじゃない」
「うーん、 昨日よく眠れなくて…」
シーナが心配そうに声をかけてきた。
ギリギリまで寝てたからか、 教室にはもう5人とも揃っている。
「ほんとに大丈夫?
なんか、今日はラルクも気が抜けてるというか…まさか私に内緒でなにかしてたとか…!?」
「んなわけないでしょ!!」
「あはははっ」
「おい、 2人とももう座れよ…
先生来るぞ」
「わっ やばいやばい」
私たちが座ったタイミングで、先生が教室に入ってきた。
危なかった…
「おーし、 じゃあ出席とるぞ
────と、 言いたいところだけどな
今日は連絡がある。」
デオ先生は少し笑った。
にこり じゃない、ニヤッと。
「お前らは 今年から高等部の学生だ。
ということは…」
「あ」と、オルフェが声を漏らした。
オルフェもなんだかニヤニヤし出した。
「もう気づいたやつもいるな…
そうだ!
来週から、 春季魔法大会が開催されることが決定した!」
教室内が少しざわめいた。
みんなが「やっと来たか…」なんて顔をしている。
な、なに…?
魔法大会とは、 なんぞ??
それに対照して、 私の脳内はハテナが大量生産されていた。
そんなことには構わず、 デオ先生は続ける。
「お前達にとっては一回目の記念すべき大会だ。
正直俺は、高等部1年だからといって、 お前らの優勝の可能性がゼロだとは思ってない。
各自全力を尽くせるようにしておけ」
言うだけ言って、 デオ先生は教室を出ていった。
私の脳内ハテナを回収してくれることも無く…
「よっしゃああ!!」
HRが終わった瞬間にシーナが大声でガッツポーズをキメた。
ガタッと音を立てて椅子が倒れる。
「やばい!
すっっっごい楽しみ!!」
「私もです!
早く練習しに行きましょう!!」
え、え、え、、ええ??
私の頭は混乱する一方だ。