碧花の結晶
王家のある寝室に、人が入った。
そこは王の寝室だ。
そしてルーシェと国王、女王が刺殺された──
犯人はルーナとルーシェの兄、ルキだった。
彼は元々王になる予定だったが、碧花であるルーシェによりその権限を強制的に奪われ、恨みを持ったのだろう。
異変を感じた護衛たちが駆けつけた時は、3人はもう息絶えていた。
「ルキ様!!
な、なんてことを…」
「ははははは!!これで次の王は俺だ!」
狂ったように笑うルキ。
「あああ、どうしたら良いのだ……」
「いやああああ!ルーシェ様!!」
騒ぎを聞いて、王に次ぐ権力を持つ宰相はルキの国外追放を命じた。
「王家に対する慈悲だ。無期限の国外追放と、腕1本で償え。」
こうしてルキは右腕を失い、国を追われた。
「…絶対に復習してやる。たかだか目が青いだけで、王になれるなんて、バカバカしすぎる!!」
ルキは最後まで自分の行動を悔やんだりはしなかった。
「こんなときにまさか役立つときがくるとは。
──天はルキのことを見抜いて、2人もの碧花を与えられたのだろうか…」
物語は受け継がれる。
たった1人残された、ルーナによって───