歳の差18


第4章 後悔

「別れたよ」と言って帰った私にお母さんは気を遣ってくれたのか、おーちゃんの事には一切触れてこなかった。

お母さんの「おかえりなさい」の一言に、抑えていた感情が一気に込み上げてきて涙が止まらなかった。

そんなお母さんの優しさが身に沁み、沈んでいた心が少し癒された。

写真の事を責めただけでどうして別れることになったのか、今もまだ理解が出来ない。

私のおーちゃんに対する恋は本物だったのに、おーちゃんの私に対する恋は偽物だったんだよね?
ずるいよ・・・悔しい・・・。こんなに好きにさせといてこんな形で捨てるなんて。
おーちゃんは私に、「若いんだからまだまだたくさん出会いあるよ」って言ってたけど、私はおーちゃんが良かった。おーちゃんとずっと一緒にいたかったのに。

私が実家に帰ってから2週間が経った頃、一向に体調は戻らなかった。

まさか・・・!と思い妊娠検査薬を使ってみた。

結果は・・・陽性反応を示していた。

私は頭が真っ白になった。

いまこの結果をおーちゃんに伝えたところで、産むのに反対されるのは言うまでもなく分かっていたから、おーちゃんにも誰にも相談することが出来なかった。

私は、冷静な判断をしなきゃ!と思い焦らずゆっくり1人で考えていた。

陽性反応が出てから3日目のことだった。

出血があり急いで産婦人科に向かった。

お医者さんは何のためらいもなく「化学流産ですね」と言った。

私は驚きを隠せなかった。

「え・・・流産?どうしてそんな顔で言えるんですか」

いくら他人であろうと「流産」という言葉を平気な顔で言うお医者さんに腹が立った。

不安げな私にお医者さんは話し始めた。

「化学流産とは受精はしたものの、着床が続かなかった状態のことで切迫流産のようなはっきりとした症状のある流産ではありません。受精の途中の段階であなたが検査薬を使ったため陽性反応が出たのでしょう。生理と一緒に流れて気付かないこともよくあります。医学的には化学流産は流産とは言いません。なので妊娠はしていなかったということになります」

私はお医者さんの話を聞き、胸をなでおろした。

妊娠検査薬を使っていなかったらなにも気付かずに済んでた!ってことなんだよね。

無駄な気力を使ったと後悔した。

私は安心し病院を後にした。

もし本当に妊娠しててそれをおーちゃんに伝えてたらどうなってたかな?
一緒に育てよう!って喜んで言ってくれた?
いや、絶対反対するだろうな・・。

妊娠してなくて良かった。
もっと辛い思いをしていたかもしれないしね。

妊娠はしていなかったんだからこんなくだらない妄想はやめよう。

それから半年が過ぎた。

1ヶ月も経てばおーちゃんの事なんてもうなんとも思っていないだろう!と思っていたのに、そんな簡単には気持ちを切り替えることが出来なかった。

周りの人からしたら、たったの10ヶ月の付き合いだったくせにとか、未練がましいとか思われるかもしれない。

今まで遊びの付き合いしかしてこなかった私にとっては、おーちゃんはかけがえのない大切な存在だった。

付き合いが短くても本気で好きになってしまっていたことには間違いない。

私って未練がましいのかな?

おーちゃんに連絡したいのに、返信がこないんじゃないかとか、もしかしたら私と別れてすぐに彼女出来たんじゃないかとか、そんな事を思うとなかなか連絡が出来なかった。

それに今更連絡しても虚しく終わるだけだもんね。

私が連絡をしなければおーちゃんの方から連絡してきてくれるんじゃないかと少しながらに期待をしていた。

だけどもちろんおーちゃんの方からも一切連絡がくることはない。

人が人を想うことは素敵な事なのに、どうしてこんなに辛い思いをしなければならないの?

私の心は今も付き合っていた時のまま止まっているのに、時だけが過ぎていく。

私は何よりおーちゃんの事を忘れるのに必死だった。

忘れよう、忘れよう。って思ってるときは、おーちゃんのことを考えてるってことだもんね。

どうしたら楽に忘れられるの?誰か教えてよ。

おーちゃんと別れたことは誰にも伝えていない。

莉子とは連絡はしていたが、別れたという事実は話していない。

別れたんだと実感するのが怖くて現実逃避をしていただけなのかもしれない。

そして、思い切って莉子に話すことを決めた。

莉子と約束をし、待ち合わせ場所に着いた私は莉子を待っていた。

「ゆっぷー、遅くなってごめんね。お待たせ」

「大丈夫だよ!あそこのカフェにしようか」

私たちは近くのカフェに入った。

「どうしたの?浮かない顔して」

その問いにすぐには言葉が出てこなかった。

そんな私を見て莉子が続ける。

「もしかして、妊娠?」

「違うよ!それは違うんだけど・・・私店長と別れたんだ。しかも3ヶ月前に」

「っえ!そうだったんだ・・・」

私は涙をこらえて頷く。

「私にも話せなかったってことはこの3ヶ月の間誰にも話せなかったんじゃない?ずっと1人で抱え込んでたんだね」

付き合ってるときは色々相談聞いてもらってて、別れたことは3ヶ月も話していなかったのに、莉子はそんな私を一切責めなかった。莉子はいつだって私の事を心から理解してくれる。

今日は泣かないつもりだったのに、莉子に話したら涙を抑えることが出来なかった。

涙を流しながらもおーちゃんと別れた時のことを覚えている限りの全てを話した。

莉子は何も言わず、ただ黙ってずっと真剣に聞いてくれた。

「ゆっぷ!誰にも話せなかったのは十分わかるよ。でも、1人で抱え込んだところで気持ちは晴れた?」

私は首を横に振った。

「だよね。ゆっぷにとったら店長との恋は本気だったもんね。それは私にも分かったよ。だから写真のことも悔しかったんだよね?だけど、店長もきっと遊びではなかったと思うよ。私は店長のことよく分からないけど、ゆっぷにも言えないような思いがあったのかもしれないし。ゆっぷが初めてこんなに人を好きになってるのを見て、私本当に嬉しかったんだから。ゆっくりでいいから、またゆっぷが好きになれる人探していこうよ」

莉子の励ましの言葉はいつも心に染みる。支えられてるんだ!って凄く実感する。

「うん。莉子ありがとう。私前を向くよ。いつまでもこんなんじゃいられないしね。莉子に話したらすっきりしたわ」

「当たり前!私とゆっぷは永遠の親友なんだから」

「そうだね。改めてこれからもよろしくお願いします」

そして色んな話をして私たちはバイバイした。

莉子に話してから私は本当に元気が出た。

決しておーちゃんを忘れたわけではないし、忘れようと思ったわけでもない。

ただただ、前に進もうと思えた。

この日をきっかけに私は笑顔が増えていった。

別れた時点で莉子に話せばよかった!と後悔した。

そしてある日、おーちゃんとの出会いの場でもある、正社員で働いていた時のスーパーに久しぶりに挨拶に行った。

私と別れた後すぐに、おーちゃんは移動で違う店舗に移ったことを同期の山田君から聞いていた。

なので、気軽にスーパーに足を運び、手土産をもって総菜部へ向かった。

「お久しぶりです」

「あらー、仲間さん!元気にしてた?」

「はい。チーフもお元気そうで。近くまで来たので寄りました。これ、良かったら皆さんで食べてください」

「手土産まで持ってきてくれたの?ありがとう、みんなで頂くわ。そういえば、店長とは上手くいってるの?」

「いいえ、別れたんですよ。報告遅くなりました・・・」

「あら、そうなの・・・。まぁ、仲間さんはまだ若いし可愛いからまたすぐにできるわよ」

“若いからすぐできる”みんなそうやって言うんだね。

きっとみんなは励ましのつもりで言ってくれているんだよね。

ありがたいけど、“若いからすぐできる”って言葉は聞きたくない。

現時点で忘れられてないし、次の恋も今は全然考えていないから。

励ましてくれている人たちに対してこんなことを思うなんて、私は捻くれ者だね。

励まされる度に自分の心がすさんでいくのが分かった。

そんな自分が嫌いになる・・・。

「そうですよね!ありがとうございます」

「そうだ、店長が異動してから噂で聞いたんだけど、店長の元奥さん離婚してすぐに交通事故で亡くなられたらしいわね。仲間さんも知ってたでしょう?お気の毒よね・・・」

っえ!何を言っているの?私はそんな話聞いたことがない。

ただ単に噂でしょう?でたらめ言わないでよ。

「その話噂ですよね?私、聞いたことないですよ」

「仲間さん知らなかったの?本人がそうやって話していたみたいだから本当だと思うわよ。っあ!ごめんなさい。私余計な事話しちゃったわね・・・」

「いいえ、大丈夫ですよ。今の私にはもう関係ないので。じゃ、そろそろ失礼しますね。忙しい時にすいませんでした。また来ます」

動揺した私は精一杯の挨拶をし、お店を後にした。

おーちゃんの元奥さん亡くなってたの?

ねぇ・・・おーちゃん、嘘だよね?

本当だとしたらどうして私に話してくれなかったの?

話してくれてたら写真のこと何も言わなかったのに・・・。

私ただの最低じゃん。

私は帰宅して泣き崩れた。

私が写真のこと言ったとき、おーちゃんは下を向いて何も言わなかった。

私はその姿を見て苛立ってた。

私最低だよ・・・。
あの時、おーちゃんはどんなに辛かった?私以上におーちゃんの方が辛かったよね・・・。

私今更後悔して、どうしたらいいの・・・。

分かんない。全然分からないよ。

遊ばれて捨てられたと思ってたのに、そんなんじゃなかったってことだよね?

おーちゃんの気持ちに気付いてあげられなくて本当にごめんなさい。

自分の気持ちだけを押し付けておーちゃんを苦しめた。

自分の事しか考えてなかった。

私はおーちゃんに会おうと思えばどうにかして会える。

でもおーちゃんは、好きだった人に会いたくても会えない。

好きな人に一生会えない辛さ、苦しさ。きっと耐えられないよね。

おーちゃんは私を利用したんじゃない。

おーちゃんもきっと前に進みたかったんだよね。

だって私を好きって言ってくれた言葉に偽りを感じたことは一度もなかったから。

だけど私が過去を思い出させることしちゃったんだ。

大好きな人を苦しめてしまった罪悪感が一気に押し寄せた。

その時、

ブー、ブー、ブー・・・

携帯のバイブが鳴った。

同期の山田君からの着信だった。

「はい、もしもし・・・」

低いトーンで電話に出る。

「おう!テンション低いなー!ってか、さっき店に来たんだって?久しぶりに来たんなら俺んとこにも顔出せよなー」

「ごめんね!また近々行くよ」

「つーか、今から少し会えないか?話したいことがあるんだけど」

「大丈夫だけど、電話じゃダメなの?」

「大事な話だから時間があるなら直接がいいんだけど・・・」

「分かったよ!じゃ、駅で待ってるから着いたら連絡して」

「了解」

このまま1人で家にいても考え込んじゃうだけだから、グッドタイミングの誘いだった。

駅に着いた私は山君を待っていた。

10分くらい経ったころ、

「おう、仲間!ごめん、待った?」

「うん。30分も待った」

「そんなに待ってないだろう(笑)。とりあえずファミレス行くか」

「そうだね」

私たちはファミレスに入った。

「で、話ってなに?くだらないことだったらすぐ帰るからね」

「久しぶりに会ったんだからそんな冷たいこと言うなよ!まぁ、仲間にとって大事な話」

「で、なに?」

山田君はゆっくり話し始めた。

「玉森店長に、「優子には言うなよ!」って口止めされてたんだけど、店長と仲間が別れてすぐに俺に話があるって言われてさ。玉森店長が「俺、優子を傷付けた。本当は優子を離したくはなかった。でもこうするしかなかったんだ。俺が優子に連絡しても、もっと辛い思いをさせちゃうだけだと思うから、同期のお前が優子を支えてやってほしい。優子が立ち直れるまででいいからくだらないことでも、連絡してやってくれないか?優子は強がりだけど本当は弱い子なんだよ。俺がこんなことを頼めるのは、俺らのことをよく知ってるお前だからこそ頼むんだ!」って言われたんだよ。だから頻繁に仲間に連絡してたのに全然応答ないしよ。心配してたんだぞ」

「そうだったんだ・・・ごめんね。別れたこと山田君の耳には入ってると思ってたから、冷やかしの連絡だと思って・・・店長の話は聞きたくなかったから無視し続けてた。本当にごめんね」

「まぁ、しょうがないよ。仲間も辛かっただろうからな。遅くなったけど今日ちゃんと話せたから良かったよ。仲間と店長の間に何があったかは分からないけど、そんなに考え込むなよ!また近々どっか遊びに行くべ」

「うん、そうだね。教えてくれてありがとね」

「いいって!じゃ俺らが付き合っちゃう(笑)?」

「ありえない!全然タイプじゃないし(笑)」

「やっと笑ったな。「優子の笑顔がめちゃくちゃ好きなんだ」って店長も言ってたぞ。だから辛い顔ばっかしてねーで笑えよ」

「うん・・・分かった。ありがとう」

私たちはゆっくりしてからお店を後にした。

おーちゃん別れてから私のこと気遣ってくれてたんだ。

そういう理由で私に連絡できなかったんだね。

本当におーちゃんは優しい人だよ・・・。

おーちゃんにもう一度会ってちゃんと話したい。ちゃんと謝りたい。

次の日、

私は何の迷いもなくおーちゃんの家へ向かった。

そして家の前に着いた。

どのくらい時間がたっただろうか、気付けば空は真っ暗になっていた。

私は携帯ゲームで暇をつぶしていた。

まるで悪いことをして家を追い出されている子供かのように。

おーちゃんと一緒に住んでた時は、遅くても21時には帰ってきていた。

帰ってこなかった日は一度もなかった。

だから必ず帰ってくると思っていた。

結局、22時を過ぎてもおーちゃんが帰ってくることはなかった。

私は一旦家に帰ることにした。

帰る途中で頭をよぎるのは同じ事ばかり。

私があの時、過去のことを思い出させるようなことしちゃったから元奥さんのところに逝っちゃったんじゃないか・・・。

そうだったら確実に私のせいだ。

いや!いくら何でもそんな真似はしないよね?

おーちゃんはそんなに弱い人間じゃないもんね・・・

でも、本当に好きだった人のところに逝くためなら・・・

・・・私なに馬鹿な事考えてるんだろう。

そんなことありえないのに。

ねぇ・・・おーちゃん今どこで何をしてるの?

明日は平然としてちゃんと帰ってくるよね?

私は頭が混乱していた。

たった1日帰ってこないだけなのに、私は冷静になることができなかった。

どこかに泊まっているのか。

などと考える余裕すらなかった。

家に着いた私は、消せないでいたおーちゃんの携帯番号に掛けてみた。

「お掛けになった電話番号は現在使われておりません・・・」

え!どうゆうこと?私ともう連絡したくないから携帯替えたの?

それとも本当になにかあった?

私は落ち着かず山田君に電話をした。

「どうした?こんな夜に」

「あのさ、店長の電話番号分かる?」

「俺は携番までは分からないけど、どうした?」

「そっか・・・。さっき電話してみたんだけど繋がらなかったからさ」

「まじか!明日、店の誰かに聞いてみるよ」

「ううん、聞かなくて大丈夫!ごめんね、ありがとう」

「本当にいいのか?」

「うん、大丈夫!またなにかあったら連絡するね」

「おう!夜遅いからゆっくり休めよ」

「ありがとう。山田君もね。じゃ、おやすみ」

電話を切り、私は考えすぎてなかなか寝付けなかった。

私と連絡とりたくなくて携帯を替えたとするなら、無暗に探って電話かけたら迷惑だもんね。

結局寝たのは朝方。

この日私は、仕事先で貧血を起こし倒れた。

気が付いた時には病院のベッドで横になっていた。

そしてしばらくして看護師さんが話し掛けてきた。

「目が覚めたようね。貧血で倒れたんですよ。1日安静にしていれば明日には帰れるからね」

「今日は帰れないんですか?」

「そうだね・・・今日1日はゆっくりしてね。ところで、仕事先の方がお家に連絡したところ繋がらなかったみたい。こちらからお家の方に連絡入れときましょうか?」

「いいえ、後で自分で連絡しとくので大丈夫です」

「分かりました。では、なにかありましたら上のボタン押してくださいね。ごゆっくり」

私はこんなところで寝ている場合じゃない。

おーちゃんのところに行かなくちゃ。

私はおーちゃんのことしか考えていなかった。

今は周りなど見えない。

病院を抜け出して真っ先におーちゃんの家へと向かった。

今日は帰ってくるよね?

話すことまとめとかなくちゃ。

おーちゃんの家着いた私はまた携帯ゲームで時間をつぶした。

いくら待ってもおーちゃんは帰ってこない。

結局今日も23時を回っても帰ってこなかった。

帰ってくる気配さえ感じない。

連絡も取れないし、家にも帰ってこない。

本当にどこにいるの?

私心配でたまらないよ・・・

まさか引っ越したのかな?

私ともう一生関わりたくないから?

・・・そうだよね。

おーちゃんの気持ちにも気付かないで、「弄んだ」なんて言っちゃったんだから。

他に言い方があったはずなのに。


言っていいことと言っちゃいけないことの区別もつかないなんて、私最低過ぎるよね・・・

おーちゃんはいつも私に優しかった。

私のわがままにも怒ったことなんてない。

付き合っていた10ヶ月間、一度も喧嘩なんてなかった。

いつもいつも私を子供扱いをするおーちゃんが愛おしくてたまらなかった。

そんなおーちゃんが弄んだなんてあり得ないことなのに。

私はおーちゃんを傷付けたんだね。

今更遅いのは分かってるけど、ちゃんと謝りたい。

おーちゃんの過去を知った以上はこのまま何も知らなかったことにはできない。

だから謝らなきゃいけないのに。

お願いだから連絡してきてよ・・・

もう一生会えないなんてことないよね?

私はおーちゃんのことが気になりご飯もまともに食べられなかった。

私ってこんなに単純で純粋だったんだね・・・

それもおーちゃんが気付かせてくれたんだよ・・・

私は落ち着かなくて莉子に電話した。

「もしもし、どうしたの?」

「莉子・・・おーちゃんが2日間も家に帰ってこないの。なにかあったんじゃないかな?」

「どうゆうこと?店長さんとより戻したの?落ち着いて話して」

「うん。よりは戻してないの。おーちゃんともう一度だけちゃんと話したくて、2日連続で家に行ったんだけど、帰ってこなくてさ・・・」

「そうゆうことか!今もまだそこで待ってるの?」

「ううん。今はもう自分の家。明日も行くつもりなんだけどさ・・・」

「そっかー。連絡は?」

「携帯替えたっぽいから連絡が取れないの。私どうしたらいいかな・・・」

「とにかく、店長さんになにかあったとか考えちゃだめだからね。たまたまどこかにお泊りに行ってるだけかもしれないし。明日私仕事休みだから、私も一緒に行ってあげようか?」

「ううん、大丈夫!莉子に話したら気持ちが落ち着くと思って電話したんだ。夜遅くにごめんね。聞いてくれてありがとう」

「私は大丈夫だよ。あまり無理しないでよ。なにかあったらまたすぐに連絡して」

「うん、分かった。本当にありがとう。じゃ、おやすみ」

「うん。ゆっくり休んでね。おやすみ」

私は落ち着きを取り戻し眠りについた。

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